平成30年6月29日に、国税庁HPで「e-Tax利用の簡便化の概要について」が公表されました。
平成31年1月より、個人の方の確定申告について、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つが利用できるようになります。
現行のe-Taxの利用方法
現行のe-Taxを利用し電子申告をするためには、事前の準備が大変でした。
事前に用意するもの
- マイナンバーカード
- カードリーダー
e-Taxの利用開始準備
- e-Taxの利用開始届出の提出☆
- 利用者識別番号(以下「ID」)・暗証番号(以下「パスワード」)の受領☆
- 電子証明書の登録☆
e-Taxでの確定申告書の送信
- 確定申告書等作成コーナーから申告書作成・送信☆
☆…初めてe-Taxを利用して申告書を作成する場合、一連の流れで登録・送信することができます。
マイナンバーカードの取得
e-Taxを利用して電子申告する場合には、電子的な証明を申告書に署名して送信する必要があります。
個人の場合、マイナンバーカードに個人で利用できる電子証明書が格納されているため、マイナンバーカードの取得は必須です。
マイナンバーカードの申請から取得まで、私が取得した時は約2か月かかりました。。。
[box06 title=”あわせて読みたい”]
[/box06]
カードリーダーの購入
マイナンバーカードに格納されている電子証明情報を申告書に署名するためには、「カードリーダー」が必要になります。
家電量販店で販売しているもので「e-Tax対応」や「マイナンバーカード対応」と記載があるものを選びましょう。
3,000円程度で購入することができます。
利用開始届の提出、利用者識別番号・暗証番号の受領、申告書送信
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用して、利用開始届等を提出・受領・送信することができます。
一連の流れで作業はできますが、すべて初めての場合かなりの労力を使います。
ID・パスワードは、今後も確定申告する場合に必要になる情報なので、プリントアウトしておくかどこかにメモしておく必要があります。
電子申告したものの、IDやパスワードを忘れてしまったという方、よくいらっしゃいます。。。
最終的にe-Taxで電子申告するためにに必要なものは、
- マイナンバーカード&カードリーダー
- ID・パスワード
でした。
平成31年1月から
平成31年1月より、マイナンバーカード方式、ID・パスワード方式の2つの方法でe-Taxが利用できるようになります。
マイナンバーカード方式
事前に用意するもの
- マイナンバーカード
- カードリーダー
e-Taxでの確定申告書の送信
- 確定申告書等作成コーナーから申告書作成・送信
マイナンバーカード方式では、マイナンバーカードを利用し、e-Taxで電子申告することができます。
従来と変わらないように見えますが、最終的にe-Taxで電子申告するために必要なものは、
- マイナンバーカード&カードリーダー
だけとなります。
ID・パスワード方式
事前に用意するもの
- 税務署で税務職員との対面による本人確認
- ID・パスワードの受領
e-Taxでの確定申告書の送信
- 確定申告書等作成コーナーから申告書作成・送信
ID・パスワード方式では、マイナンバーカードを持っていない方でe-Taxを利用したい方向けに、税務署での税務職員との対面による本人確認ができれば、e-Taxに必要なID・パスワードが発行されます。
申告書を作成し、そのID・パスワードを使って送信できるようになります。
最終的にe-Taxで電子申告するために必要なものは、
- ID・パスワード
だけとなります。
あくまでも暫定措置
マイナンバーカード&カードリーダーが不要でe-Taxを利用できるのであれば、ID・パスワード方式の方がメリットがありそうですが、こちらの方式はあくまでも暫定措置です。
マイナンバーカード・カードリーダーが普及するまでの措置であり、いつまでもこの方式を利用できるわけではないので注意が必要です。
また利用できる場所は、「確定申告書等作成コーナー」のみです。
【重要】メッセージボックスの閲覧
e-Taxを利用すると、「メッセージボックス」というものを利用することができるようになります。
メッセージボックスには、いつ何を申告したか、次の確定申告の「申告のお知らせ」といった情報が格納されます。
個人情報の塊であり、平成31年1月よりセキュリティー強化のため、
- マイナンバーカード方式…メッセージボックスへログイン可
- ID・パスワード方式…メッセージボックスへログイン不可(申告書の送信は可能)
ID・パスワード方式で申告はできますが、メッセージボックスへはログインできません。
ID・パスワード方式の方がメッセージボックスへログインするためには、マイナンバーカード&カードリーダーが別途必要になります。
図にすると
現行、マイナンバーカード方式、ID・パスワード方式を図でまとめてみました。
税理士が代理送信するときは
ちなみに、税理士が代理で送信する場合には、従来の方法と変更はありません。
参照:税理士による代理送信は、マイナンバーカード方式やID・パスワード方式の対象となるのですか。
まとめ
マイナンバーカードを持っていない方にも電子申告を利用してもらいたい、マイナンバーカードを普及させたいという意図が見えますね。
ID・パスワード方式は、マイナンバーカードがなくても申告はできますが、あくまでも暫定措置ですし、メッセージボックスを確認するためにはマイナンバーカードが必要になります。
マイナンバーカードがあれば、住民票や印鑑登録証明書がコンビニで印刷できたりと、マイナンバーカードを持つ利便性も高まってきています。
e-Taxの送信も従来よりも簡単に送信できるようになるため、この機会に早めにマイナンバーカードを取得してはいかがでしょうか。