申告書や届出書、見返そうと思ったら手元になかった、失くしてしまった、控えをもらわなかったということあると思います。
当事務所へご依頼いただくお客様も、過去の申告書や届出書がないといったケースがあります。
その場合、税務署で「閲覧」するという方法があります。
閲覧って?
税務署へ提出した申告書や届出書は、控えをもらっておく必要があります。
控えは、過去の届出状況や申告状況を確認するために必要です。
申告書や届出書は提出したが、控えをもらい忘れた、失くしたといった場合には、過去の履歴がわからなくなってしまいます。
特に届出書は、どのような効力が出ているかわからないと税額に大きな影響が出ることもあります。
所轄の税務署へ電話で問い合わせても、届出書の提出状況や申告書の内容は教えてくれません。
たとえ本人であってもです。(セキュリティーの関係上)
過去の届出書や申告書がないと、申告書の作成に支障があることもあるため、税務署で提出した届出書や申告書を「閲覧」することができます。
文字通りの「閲覧」なので、コピーをもらうことや写真に撮ってくることはできません。(一部例外あり。)
閲覧するための準備
閲覧するためには、まず閲覧するための書類を準備する必要があります。
直接税務署へ行って、本人だから・会社の代表だからという理由だけでは見せてくれません。
閲覧するためには、下記の書類を準備します。
本人が行く場合
- 申告書等閲覧申請書
- 本人確認書類
代理人が行く場合
- 申告書等閲覧申請書
- 委任状(委任状には、納税者本人の実印を押印すること)
- 押印した実印の印鑑登録証明書
- 代理人の本人確認書類
代理人には、税理士も含まれます。
顧問税理士が閲覧しに行く場合であっても、委任状を作成し、税理士本人が行く必要があります。(税理士事務所の職員が行くことはできません。)
閲覧する方法
書類をもっていこう
閲覧するための準備ができたら、その書類をもって税務署に行きましょう。
税務署は、どこでもいいわけではなく、申告書を提出した税務署へ行きます。
個人の場合には、自分が住んでいる場所を管轄している税務署へ。
法人の場合には、本店所在地を管轄している税務署へ。
税務署の総合窓口の職員へ、「閲覧をしたいのですが。」と声をかければ手続きを進めてくれます。
その場で本人確認書類を提示します。
書き写してくる
「見せてくれるだけ」なので、必要な部分は書き写してくることになります。(コピーや写真はダメ)
白紙の申告書や届出書・メモ帳を持っていくといいですね。
担当してくれる職員によっては、書き写すのに必要な書類を、税務署にある白紙の申告書や届出書のボックスからとるように勧めてくれることもありますが、持参して行くのをオススメします。
職員の方が、閲覧用の書類を準備してくれるまで時間がかかるので、余裕をもって出かけましょう。
準備が終わると、近くの相談ブースへ通されます。
書き写している間は、職員の方がずっと一緒にいますが、気にせず書き写しましょう。
保存方法を見直そう
提出することが一番大事ですが、その後、控えをもら
控えは必ずもらう
税務署へ提出する書類は、提出用と控用の二部作り、控えに受付印をもらって手元で保管するようにしましょう。
受付印をもらっておくと、税務署へいつ提出したかということもわかりますし、何より提出したという履歴になります。
二部作って一部を税務署へ提出し、もう一部は受付印をもらわずに手元に保管という方もいらっしゃいます。
この場合、作成したということは手元にある書類を見ればわかりますが、提出したかどうかはわかりません。
控えは、必ずもらい、控えにも受付印をもらうようにしておくといいですね。
データにしておく
控えをもらって、ファイリングしておくことが重要です。
できれば、PDFにして予備用にデータとして保存しておくことも考えておきましょう。
データにしてクラウドへアップロードしておけば、バックアップにもなりますし、どの端末からも見ることができます。(セキュリティーに気を付ける必要がありますが。)
電子申告する
控えの問題も、e-Taxで電子申告をすれば、データで残すことができます。
電子申告をした書類をそのままPDFデータで保管しておけばOKです。
電子申告に利用する、利用者識別番号・暗証番号をなくさないように、番号管理だけキチンとしておきましょう。
番号を忘れては、元も子もありません。。。
まとめ
申告書や届出書の控えがない・失くしたといった場合、閲覧という方法で見ることができます。
もちろん、失くさないことも重要です。(書き写さなければならないので、大変ですし。。。)