お客様の得意先の方から連絡がありました。
その方は、フリーのカメラマンの方でした。
源泉徴収税が入った請求書の書き方を教えて欲しいとのことでしたので、簡単なサンプルを差し上げました。
源泉徴収の対象となる報酬
源泉徴収の対象となる報酬は、所得税法の規定で定められています。
弁護士や税理士の報酬、原稿料といったものを個人に支払う場合には、支払う側が「源泉徴収」しなければなりません。
カメラマンの報酬も、規定で定められています。
所得税法 第204条第1項第1号の報酬・料金
写真の報酬
雑誌、広告その他の印刷物に掲載するための写真の報酬・料金
参照:国税庁 タックスアンサー №2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
源泉徴収するのは、「支払う」側の会社
源泉徴収をする義務があるのは、報酬を「支払う」側にあります。
「支払う側」が、
- 法人の場合…源泉徴収義務あり
- 個人の場合…従業員を雇って給料を支払っている個人事業主の場合には、源泉徴収義務あり
ただし、支払を「受ける」側が、源泉徴収が必要な報酬・料金等に該当する場合であっても「法人」の場合には源泉徴収する必要はありません。
法人又は源泉徴収義務がある個人が、源泉徴収の対象となる個人へ報酬を「支払う」場合に源泉徴収を行うこととなります。
源泉徴収する義務がある報酬に対して、源泉徴収をしなかった場合には、「支払う」側の法人や個人にペナルティが課せられます。
- 不納付加算税
- 延滞税
という税金が追加で課せられてしまいます。
報酬を「支払う」側が、源泉徴収が必要なものかどうかしっかり判断しなければなりません。
支払時に、源泉徴収が必要な報酬かどうか吟味しましょう。
請求書に「源泉徴収」の記載がなかった場合、源泉徴収税額入りの請求書を発行し直してもらうのがいいでしょう。(お互いに源泉徴収を認識していますよという意思確認のため)
源泉徴収されるのは、報酬を「受ける」側の個人
源泉徴収をするのは、あくまで「支払う」側の会社や個人です。
源泉徴収されるのは、報酬を「受け取る側」の個人です。
自分の職業がその性質上、源泉徴収の対象になるのかどうか把握しておく必要があります。
請求書に「源泉徴収税額」の記載がなくても、支払う側の会社は「源泉徴収」を行います。
自分で源泉税を把握していないと、請求した金額と入金額が合わない、となり混乱することになります。
源泉徴収は、個人事業主側からは「所得税」の前払いとなります。
確定申告により精算することで「還付」になる場合があります。
源泉徴収の税率は、10.21%です。(100万円を超える取引は別になります。)
100,000円の報酬であれば、10,210円も源泉徴収され入金される金額は、89,790円となってしまいます。
しかし、毎回の報酬から10.21%も引かれてしまうため「資金繰り」に影響してきます。
自分の仕事が「源泉徴収」の対象となる報酬かどうか、把握し源泉徴収税額入りの請求書を発行するようにしましょう。(お互いに源泉徴収を認識していますよという意思確認のため)
自分で集計する習慣
カメラマンの方は、今まで請求書に「源泉徴収税額」を記載していない状態で請求書を発行し、取引先から源泉されたあとの金額で振り込まれていましたとおっしゃっていました。
源泉徴収税額の計算が分からないといったような状況のようでしたので、請求書のサンプルを交えてアドバイスさせていただきました。
自分で請求書に「源泉徴収税額」の記載をしておけば、確定申告の時は請求書の源泉徴収を集計するだけで済みます。
源泉後の金額が入金されるのが分かっていれば、資金繰りの計画も立てやすくなります。
自分の資金繰りや確定申告でバタバタしないためにも、ご自身で源泉徴収税額を把握しておきましょう。
源泉税・消費税の計算式を組み込んだExcelの請求書を作って運用していくのもいいですが、現在はクラウド会計と連携できる請求書ソフトも充実しています。
まとめ
自分の報酬が源泉徴収の対象となるのかどうか、しっかり把握しておきましょう。
把握しておくことで、確定申告や資金繰りでバタバタすることがなくなります。
《編集後記》
朝7時台に出社するようになってストレスなく通勤出来ています。
ネットラジオを聴きながら仕事をしています。
全然ラジオを聴いていませんでしたが、ラジオもいいですね。