消費税を払う・払わない

消費税の本 税金
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ここ数日、消費税を払う・払わない(納税義務)という質問を受けることが数件ありました。

消費税とは

消費税とは、文字通り、「消費」に対して課税する税金です。

消費税の納付税額の計算は、ざっくりと「預かった消費税」から「支払った消費税」を引いたもの。

消費税を払う・払わない(納税義務)

現在の消費税法では、ある一定の条件の事業者は消費税を納めることを免除されています。

小規模な事業者まで煩雑な事務手続きを負担するのはよくないといったような理由により、消費税の納税義務が免除されます。

原則として、基準期間の課税売上高が1,000万円以下である場合には、消費税を納める必要はないとされています。

※基準期間とは、個人事業主の場合、前々年の売上高。法人の場合、前々事業年度の売上高。

しかし、この基準期間を利用して消費税の納税義務から外れようと新しく法人を立ち上げたりといった方法を利用する人もいました。

その穴を埋めるべく、税制改正により日々法律が改正されています。

新設法人、特定期間、調整対象固定資産、高額特定資産など。

また消費税を納付すること(課税事業者)を、自ら選択することも可能です。

設備投資など多額の消費税を支払う場合、免税事業者だと納税義務がなく、「還付」が受けられないため、あえて課税事業者を選択する場合もあります。

消費税を払う・払わない(納税義務)の判定が年々ややこしくなっています。

判定を間違えると

消費税を払う・払わない(納税義務)の判定を間違えると大変なことになります。

本来、消費税を払わなくてよかったのに払っていた。

→これは、還付を受けるための更正の請求になるので税理士としてはホッとする事案かもしれません。

でも、信頼はガタ落ちでしょう。

本来、消費税を払わなければならなかったのに払っていなかった。

→消費税を払わなければなりません。

申告納付が遅れた分、加えて加算税・延滞税も。

多額の設備投資をしたのに、免税事業者だったため「還付」を受けられなかった。

→消費税の還付分について損害賠償の対象になってしまいます。

税理士に対する損害賠償事例で最も多い税目は、「消費税」です。

日々の取引も消費税が「課税」か「非課税」かといった難しい事案もありますが、何より重要なのは消費税を払う・払わない(納税義務)の判定が合っているか、いないかだと思います。

今回確認して欲しいといわれた質問も、消費税の納税義務に関するものでした。

まとめ

現行の消費税の納税義務の判定は、複雑です。

改正で埋まらなかった穴を、その後の改正で埋めたりしているため、条文が非常に複雑になものになっています。

自分自身、税の専門家であるため、判定ミスがないよう細心の注意を払っています。

消費税のステータス表を顧問先ごとにExcelで作り管理していますが、必ず決算時には、前期・当期・翌期・翌々期までの納税義務を再度確認するようにしています。

説明の際は、お客様にタイムテーブルを利用し、消費税の納税義務を一緒に確認し、認識を共有するようにしています。

10%への増税やインボイス制度の導入など、消費税の環境は今後も大きく変わっていきそうです。

《編集後記》

東京税理士会の会費の振込用紙が到着。

プライバシーポリシーのひな型作成。

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