平成29年度税制改正が3月27日に成立し、4月1日より施行となりました。
手続き関係で変わった部分をご紹介します。
国税
登記事項証明書の添付省略
法人を設立した際に提出する「法人設立届出書」に、添付が必要とされていた「登記事項証明書」の添付が平成29年4月1日以後提出する場合に不要になりました。
平成29年4月改正と書かれた「法人設立届出書」の記載要領等から「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)又は登記簿謄本」の記載がなくなりました。
法人番号で簡単に紐づけできるようになり、省略できるようになったのでしょう。
法人設立届出書での提出書類の改正前・改正後の比較
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単純に登記事項証明書だけが添付省略になっただけで、その他の定款等の添付は必須です。
省略が可能となった対象届出書等の抜粋
- 法人設立届出書
- 外国普通法人となった旨の届出書
- 収益事業開始届出書
- 普通法人又は協同組合当となった旨の届出書
- 法人課税信託の受託者となった旨の届出書 など
参照:法人設立届出書PDF
異動届出書等の提出先のワンストップ化
従来納税地に異動があった場合には、異動前・異動後の納税地の所轄税務署長宛に、異動があったことを知らせる「異動届出書」を提出していました。
異動前・異動後に同様の内容の届出書を提出していました。
同様の書類を2通作る必要があり、地味に大変な作業でした。
平成29年4月1日以後提出する場合には、「異動前」の納税地の所轄税務署長のみへの提出に改正されました。
法人が、渋谷区から港区へ事務所を移転した場合の「異動届出書」の提出例
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ワンストップ化された対象届出書等の一覧
- 所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
- 消費税・所得税の納税地の異動に関する届出書
- 個人事業の開始・廃業等届出書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 異動届出書
- 消費税異動届出書
- 一般送電事業の開廃等の届出
参照URL:【国税庁】法人設立等について、手続きが簡素化されました
地方税
登記事項証明書の添付
地方税の場合、法人を設立した場合には、「登記事項証明書」、「定款等」の提出が義務付けられています。
こちらは改正されていないので、今まで通り「登記事項証明書」を添付する必要があります。
ワンストップ化は、ない!
上記の取扱いはあくまで「国税」のお話になります。
税務署間でのやりとりは、全国に共通の税務署のネットワークでやり取りが可能であるため、どちらか片方に提出すればOKということです。
地方税の場合は、それぞれの地方団体で対応が違いますので、やはり異動前・異動後の地方団体に提出することとなります。
地方税の届出書の提出を忘れないようにしましょう。
ワンストップ化された後の異動届出書の提出先
- 例:東京都港区から神奈川県鎌倉市へ本店移転した場合
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- 例:東京都港区から東京都渋谷区へ本店移転した場合
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同じ都内での移転の場合、異動前・異動後のどちらかの都税事務所へ「異動届出書」を提出します。
同じ都内での移転の場合の取り扱いは、ワンストップ化がされる前から、異動前・異動後のどちらかへ提出することになっています。
まとめ
登記事項証明書の省略や、ワンストップ化で、提出枚数が心持ち少なくなりました。
移転時には各行政機関や、取引先等に連絡・届出が必要になります。
提出漏れ、連絡漏れがないようにしっかりとスケジュール・チェックリストを作り対応しましょう。