個人住民税の特別徴収税額決定通知書が届いたら?

特別徴収税額通知書 税金
この記事は約6分で読めます。

5月中に、各市区町村から個人住民税の特別徴収の通知書が会社宛に届きます。

今回は、個人住民税の特別徴収の通知書が届いたらやるべきこと、従業員が入社・退社したらやるべきことをまとめました。

従業員の個人住民税は、特別徴収が原則

特別徴収

特別徴収とは?

特別徴収とは、従業員へ給料を支払う際に給料から天引きして徴収することを指します。

「特別」と名はついていますが、働いている方の個人住民税の徴収はこの「特別徴収」が「原則」です。

所得税や社会保険料、雇用保険と同様に給料から天引きします。

特別徴収税額の通知書が届いたら、どうするの?

従業員が住む各市区町村から、特別徴収税額通知書が届くことになります。

例えば、従業員が3人いる会社で、港区・渋谷区・新宿区に従業員が住んでいる場合には、それぞれの区役所から通知書が届くことになります。

封筒には、特別徴収税額通知書が2部、納付書などが入っています。

1部は会社用、もう1部は従業員用となります。

従業員用は、本人に交付します。

[aside type=”warning”]注意
平成29年度分の特別徴収税額通知書に「マイナンバー」が記載されています。

社長や経理の方などマイナンバーの管理権限がある人以外が開封することのないよう、

注意が必要になります。[/aside]

いつから徴収するの?

6月~翌年の5月にかけて、毎月の給料から天引きすることになります。

平成29年分の個人住民税は、平成29年6月支給の給料から翌年平成30年5月まで、毎月天引きすることになります。

天引きした住民税は、会社が納付する

給料から天引きした住民税は、会社がまとめて納付することになります。

納付するタイミングは、天引きした月の翌月10日までに納付します。

[aside type=”boader”]具体例
平成29年6月分の給料から差し引いた個人住民税の納期限は、平成29年7月10日 [/aside]

給与ソフトの設定をする

個人住民税の特別徴収の通知書が届いたら、各個人ごとの住民税の額を確認し給与ソフトの設定に反映をさせます。

6月分、7月~翌年5月分で若干金額が違います。

端数を6月分に寄せている関係で、6月とそれ以外の月で特別徴収する金額が異なります。

給与ソフトに反映させる場合は、設定する金額を間違えないようにしましょう。

弥生給与の場合→住民税を変更するタイミングと設定方法

MF給与場合→住民税新年度控除額を更新したい

普通徴収

普通徴収とは?

普通徴収とは、自分で個人住民税を納付することを指します。

普通徴収になる方は、給与という概念がない個人事業主の方が主に普通徴収となります。

また、公的年金所得者や、会社を退職した人も給与という概念がないため普通徴収となります。

普通徴収の納税通知書は、納税者本人に6月ごろ届きます。

[aside]例外的に、勤めていても「普通徴収」となっているケースもあります。

  • 総従業員が2名以下
  • 他の場所でも働いている方で、そちらで特別徴収されている方
  • 給料が少なく、特別徴収税額を引ききれない方
  • 給料の支払いが毎月でない方 など

[/aside]

普通徴収分はいつ納付するの?

普通徴収の納付は、年4回で納付していくこととなります。

納付時期は、第1期6月末、第2期8月末、第3期10月末、第4期翌年1月末になります。

従業員が退職する場合

徴収の方法

従業員が退職する場合には、給料から住民税を天引きすることが出来なくなります。

退職する時期により、天引きする方法が異なるので注意が必要になります。

  • 6月1日~12月31日までに退職等をした場合
  1. 一括徴収する…退職者からの申し出がある場合、退職月~翌年5月分までの個人住民税を、最後の給料から天引きします。
  2. 転職先で継続して特別徴収をする…退職者から転職先でも継続して特別徴収を受けたいとった申し出がある場合には、転職先にて特別徴収を継続することになります。
  3. 普通徴収に切り替える…一括徴収の申し出がない、転職先が決まっていない場合には、退職月の翌月分以降は、退職者本人が支払う「普通徴収」となります。
  • 翌年1月1日~4月30日までに退職等をした場合

特別徴収できなくなる残りの税額については、5月31日までに支給する給料から一括して天引きします。

[aside]具体例
4月中に退職する社員分の特別徴収は、4月分・5月分の2か月分を給料から天引きします。 [/aside]

退職した場合の住民税の手続き

退職した従業員がいる場合には、従業員の市区町村に対し、会社の従業員ではなくなったので、その従業員から特別徴収することが出来ませんと知らせる必要があります。

転職先が決まっている場合以外は、従業員の市区町村に対し、「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を提出します。

転職先が決まっている場合には、転職先に対して「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を提出します。

退職した場合

  • 提出書類…給与支払報告特別徴収に係る給与所得者異動届出書
  • 提出先…従業員の住んでいる市区町村
  • 提出期限…退職した月の翌月10日まで

転職先が決まっており、引き続き特別徴収する場合

  • 提出書類…給与支払報告特別徴収に係る給与所得者異動届出書
  • 提出先…転職先
  • 提出期限…転職先が、異動届出書を退職した月の翌月10日までに提出するため、早め早めの処理が必要になります。

[aside]引き続き特別徴収する場合とは
転職先と退職先で住民税に対する情報交換をしなければならず、

関係会社間での転職でもない限り、

特別徴収の継続は現実的ではありません。(異動届出書を提出するタイミングがシビアです。)

転職者が新しい勤務先で特別徴収を行ってもらいたい場合には、

いったん普通徴収に切り替えた上で、

新しい勤務先で、「普通徴収から特別徴収に切り替える」ための手続きを

行うほうが一般的でしょう。[/aside]

普通徴収から特別徴収に切り替える場合

  • 提出書類…特別徴収切替届出(依頼)書
  • 提出先…従業員が住んでいる市区町村
  • 提出期限…税額通知を発送する日にちが各市区町村の処理日で異なるため事前の確認をお願いします。
  • 添付書類…普通徴収の納付書(納期限未到来の納付書)

[aside]退職・転職以外では「特別徴収」から「普通徴収」への切り替えは出来ない!
「普通徴収から特別徴収」に切り替えるための手続きを行うことはできますが、

その逆の「特別徴収から普通徴収」へ切り替えるための手続きは、

退職や転職といった事情がない限り行うことはできません。[/aside]

まとめ

特別徴収のタイミングや、退職時の処理は時期なども考慮しなければならず複雑です。

  • 特別徴収の通知書がきたら、給与ソフトに反映させる
  • 従業員が退職する場合は、退職時のスケジュールや時期を確認する

といったことをしっかり行いミスがないようにしましょう。

[aside type=”boader”]ブログでは、従業員サイドでの住民税の取扱いを書いています!
[btn class=”simple”]【住民税】特別徴収の天引きはいつから?退職した場合は?[/btn][/aside]

タイトルとURLをコピーしました