固定資産を購入すると、色々な諸経費がかかります。
引取運賃、登録費用、登録免許税など様々な費用が掛かってきます。
これらの費用はどう処理すればいいのでしょうか。
固定資産の取得価額について確認していきましょう。
固定資産の取得価額とは?
そもそも固定資産の取得価額とは本体価格だけでしょうか。
車を購入する場合の見積書には、様々な項目があります。
例えば、
- 車輛本体価格
- 自動車税(税金)
- 自動車重量税(税金)
- 車庫証明費用(登録費用)
- 納車費用(引取費用)
など本体以外にも様々な費用が見積書には記載されています。
購入した固定資産の取得価額には、原則としてその資産の本体価格とその資産を使い始めるまでに直接かかった費用を含めていきます。
また、引取運賃や購入手数料などその資産を購入するためにかかった費用も取得価額に含めていきます。
車の場合には、本体価格はもちろんこれらの税金や登録費用・引取費用などを「取得価額」に含めることになります。
諸経費(付随費用)の取扱い
車を購入した場合には、税金や登録費用、引取費用などが掛かってきます。
これらの付随費用は、先ほどから書いているように「取得価額」に含まれます。
法人税法では、これらの付随費用のうち一部の付随費用については取得価額に含めず、支払った時点で費用にしてもいいとしているものがあります。
№5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用
購入した減価償却資産の取得価額には、原則として、その資産の取得対価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。また、引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などその資産の購入のために要した費用も含まれます。
ただし、次に掲げるような費用については、減価償却資産の取得に関連して支出した費用であっても、取得価額に算入しないことができます。
(1)次に掲げるような租税公課等
イ 不動産取得税又は自動車取得税
ロ 新増設に係る事業所税
ハ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
(2)建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設設計を変更したことにより不要となったものに係る費用
(3)いったん結んだ減価償却資産の取得に関する契約を解除して、他の減価償却資産を取得することにした場合に支出する違約金
(4)減価償却資産を取得するための借入金の利子(使用を開始するまでの期間に係る部分)
(注)使用を開始した後の期間に係る借入金の利子は、期間の経過に応じて損金の額に算入します。
(5)割賦販売契約などによって購入した減価償却資産の取得価額のうち、契約において購入対価と割賦期間分の利息や売手側の代金回収のための費用等が明らかに区分されている場合のその利息や費用
参照:国税庁HP タックスアンサーより
先ほどの車の付随費用を例にすると、費用としていい付随費用は、
- 車輛本体価格→取得価額
- 自動車税(税金)→費用
- 自動車重量税(税金)→費用
- 車庫証明費用(登録費用)→費用
- 納車費用(引取費用)→取得価額
となります。
取得価額に含める場合・含めない場合
「減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用」となっているため取得価額に含めても、含めなくてもどちらでもOKということになります。
含めない場合とは
利益が出ている法人が固定資産を購入した場合、付随費用は出来るだけ「費用」として処理したほうが節税になります。
含める場合とは
付随費用を「費用」としてしまうと赤字になる、借入をしたいため利益を多く出したいといった場合には、付随費用は取得価額に含めた方が利益は大きくなります。
金額の判定は、付随費用も含めて判定する(10万円未満、20万円未満、30万円未満)
少額資産、一括償却資産、少額減価償却資産の特例で使用する金額(10万円未満、20万円未満、30万円未満)の判定も、付随費用を含めて判定します。
本体価格29万円であっても、引取運賃を含めたら30万円を超えてしまう場合には、少額減価償却資産の特例は受けられず固定資産計上することになります。
まとめ
固定資産の取得価額は、「本体価格」だけではありません。
付随費用も含めて「取得価額」となります。
法人税では、取得価額に含めなくてもいいとしている費用もあるので、出来るだけ費用とすれば「節税」にも繋がります。
「含める」・「含めない」をうまく活用してみましょう。
[box06 title=”あわせて読みたい”]
- 減価償却の基本のキホン~定額法・定率法~
- 減価償却の基本のキホン~金額による違い(10万円未満・20万円未満・30万円未満)~
- 減価償却の基本のキホン~法人税・所得税での違い~
- 中古資産を買って節税する方法~会社の決算対策シリーズ~
[/box06]