会計事務所に就職するタイミングや仕事とのバランスは、受験生にとっては重要な問題です。
自分が会計事務所に就職したタイミングを踏まえて、今の自分ならどう考えるかまとめてみました。
会計事務所へ就職したタイミング
大学生時代に、簿記・財表に合格し3科目目を勉強中に会計業界に就職しました。
社会人として最初に就職したのが、「会計業界」でした。
当時は、「買い手市場」と言われていたので2科目・未経験では就職しにくかったのを覚えています。
就職条件は、3科目(法人税必須)や、法人税受験経験者優遇といったような求人が就職情報誌によく載っていたと思います。
今の就職情報誌や、以前勤めていた事務所の求人を見ると今までより条件が大分緩和されていますね。
初めての事務所10人前後の、所長(税理士)とその他従業員(無資格)のみの事務所でした。
その事務所は、「昔ながらの会計事務所」で、資料集め→入力→申告書の作成から、給料計算や社会保険関係の手続きなど「会計事務所」としての1年間のスケジュールを学べた事務所でした。
その時の経験は、今でも生きています。
今の自分が考える会計事務所への就職と仕事のバランス
「税理士試験に受かること」を優先に
まずはなんといっても、「試験に受かること」を優先に考えましょう。
この業界は、給料水準が低い場合が多いです。
給料を考えるよりまず、「試験に受かること」を優先に「時間の確保」を優先したほうがいいと思います。
「時間の確保」が出来そうな会計事務所を探しましょう。
残業があるような事務所でも、定時に帰れるような仕事の仕方をしていくべきです。(効率化を図るなど)
私自身、10年かかったので。
5年でも早く受かってしまえば、あとの5年でもっと色々なことができたんじゃないかなと思います。
受験しながらの仕事はどこか仕事にも集中しきれず、勉強にも集中しきれずといった感じで、ずっともやもやしていました。(仕事の手を抜いていたというわけではなく、仕事に熱中できなかったという意味で)
会計事務所に就職を考える場合、合格するまで忘れて欲しくないことは、「税理士」になるという初心です。
会計事務所に入ると、初めから受験を考えていない人や、受験を諦めた人もいたりと全員が全員「税理士」を目指しているわけではないためモチベーションの維持が大変です。
仕事にのめり込む(熱中する)のは、「税理士」になった後からでも遅くないと思います。
会計事務所への就職は科目を揃えてから
会計事務所への就職・転職を考えている場合は、ある程度の科目を揃えてから就職・転職することをオススメします。
簿記・財表は受かってしまった方がいいと思います。
会計事務所は、労働時間が長くなる傾向があるので、科目のストックはあったほうがいいです。
特に、法人税や所得税は授業について行くだけでもハードなので、先に合格又は勉強を始めているほうが圧倒的に有利です。
税法の方が勉強時間は長くなりますし、法人税や消費税を勉強しながらの方が実務にも役に立ちます。
逆に簿記・財表は実務と並行して勉強すると、実務と勉強のギャップがあって勉強しづらいかもしれません。
新卒で会計事務所に入るのであれば、学生時代に簿記・財表に合格し、法人税や所得税の勉強をスタートさせてからといったような状況が理想だと思います。
他業界から会計事務所に入るのであれば、今いる職場で、定時に上がれるような環境にあるのであればその状況を生かして簿記・財表に合格してしまうのがいいと思います。
他業種で働く
会計事務所に入る前に、他業種で働くのもアリだと思います。
事業会社の経理部で、経理の経験を積むのもいいでしょう。
現在他業種にいる方で、定時に帰れる環境であるならその環境を十分に利用して、勉強しましょう。
他業種の視点は、独立したときに「武器」となるかもしれません。
会計業界に転職してくる方で、銀行出身の方や証券会社出身の方もいらっしゃいます。
転職してきた方々は、入った当初こそ会計事務所経験はもちろんありませんが、別の視点を持っていらっしゃるので考え方が斬新だったりしていて、話をしていて面白かったりします。
学生時代や1年間の専念時代は、会計事務所でのバイトではなく、「コンビニ」でのバイトをしていました。
会計事務所でバイトすればいいのでしょうが、私は別の業界でバイトや仕事をしてよかったと思っています。
会計業界はこれから一生付き合っていく業界だから、ちゃんと就職するまでは別の業種で仕事をしてみたかった、別の業界の考え方や接客業をやってみたい、といった気持ちもありました。
バイトでの経験でしたが、接客業に触れてよかったと思っています。
すぐに会計事務所へ就職というのではなく、まわり道かもしれませんが、他業種を経験するのも個人的にはありだと思います。
専門的な分野を学ぶなら「合格」した後でも可能!
相続税や、国際税務、連結納税などは、ある程度特化している事務所や規模の大きな事務所でないと携わることが難しい案件です。
小さい事務所にいると、相続税に触れないこともあります。
連結納税や国際税務には幸い関わったことがありますが、中小クラスの会計事務所ではあまりお目にかかれない案件だと思います。
もし、独立が目標なら、このような案件に関わるよりは、1人で何でもこなすようになれる中小の会計事務所に就職する方が重要ですし、専門的な分野をやりたいなら特化している事務所に就職すればいいと思います。
自分の税理士としての方向性を決めるのは、「合格」してからでも遅くないと思います。
最初から特化型事務所への就職ではなく、中小の会計事務所も選択肢になると思います。
まとめ
まずは、「試験に受かること」を考えましょう。
低すぎる給料の事務所は問題外ですが、ある程度低くても「合格」するまでは「給料」より「時間」を優先して考えてもいいと思います。
仕事は与えられた範囲でキチッとこなし、あとは勉強に徹する環境を作るようにしましょう。
「受験時代」が長くなるほうが、モッタイナイですよ!
個人としては、科目をある程度持った状態でオーソドックスな会計事務所に入ることをオススメします。
大型案件に関わってみたくなったら大手税理士法人に転職すればいいでしょうし、独立を目指したかったら、何でも任せてもらえる会計事務所に転職し、実務経験を積むといいと思います。
《編集後記》
自分自身の経理を始めるために、必要な文房具や事務用品を揃えに文房具屋さんに行ってきました。
普段総務の方が使っているものをちゃんと見ていないと揃えるのに苦労しますね(^-^;